RSS

ミラノ 霧の風景~須賀敦子という人

こんにちは。なかい歯科 御所南ほてつインプラントセンター 中居です。

 

一つだけ確かなこと。須賀敦子の本が好きだという初対面の人がいたとしたら、私はその人と数時間休むことなく話ができるだろう。

 

 

本当の意味ではじめて独力で降り立った外国はミラノだった。そのときのことを鮮明に覚えている。

旅先での緊張と空腹から早くに目が覚め、手持ち無沙汰にまだ街の開かない肌寒い通りに出ると、毎朝深い霧が一面に立ちこめ、通りの路面電車の輪郭をおぼろにしていた。20年前のことだ。

 

 

帰国して本屋に立ち寄ると、あの時の情景そのままの「ミラノ 霧の風景」というタイトルの新刊を目にした。最初の数行を読んだだけでその精練で濃密な文章に心が震えた。凄いものを発見したと直感し、以来熱心にその後を読んでいったが、10年前に早逝された。

 

 

昨日、NHKで須賀敦子の特集が放映されていた。以前見逃したので楽しみにしていたが、あっという間の1時間だった。

再確認したこと。それは、本人の宗教的厳しさと、その主体から紡ぎだされる言葉のみが持つ決して声高でない美しさに私は(我々は) 魅了されていたのだということ、そしてこれからも魅了されて続けていくということだ。

 

そうした生き方がどのように生成されたかは割愛するが、彼女の仕事への姿勢を一つ表す言葉が紹介されていた。

 

「小さくても美しく心を込めた仕事」

 

そんな厳しい仕事を長年続けて、そして60歳になって初めてそれが文章という形になって開花した。

 

 

 

なかい歯科もそんな医院でありたいと思った。

 

TOPへ