「患者様」が医療を壊す 前篇
こんにちは なかい歯科 御所南ほてつインプラントセンター 中居です。
なんとも、ドキッとするようなタイトルの本を読んだ。立場上誤解されそうで、あまり人前で読みたくはない(笑)。
著書は岩田健太郎氏、30代で神戸大学の教授となった感染症が専門の俊英である。氏の著書を読んだのは二冊目で、一冊目は抗生物質に関する専門書だった。「患者様・・・」はたまたま書店で見かけた内容がすばらしかったので迷わず買った。どうすばらしいかといえば、とても客観的で理論的で、ドグマにおかされておらず(この領域にはそれが結構多い)、でも落としどころは明確でとてもプラグマティック=実用的である。
つまり、自信を持って「使える」本なのである。
実のところ、細かい内容はかなり忘れた。必要なときそれはまたページを繰ればいいだろう。忘れられないのはその論理展開力と筆致の勢いである。才能がそのままページの上を踊っている感じ。誰だ、こんなにすごい書き手は?と思ってあとがきを見たら、なんと私より若い先生で、二度驚いた。
この後、教授となり、気鋭の論客として厚労省行政の重責も担われているようだ。
そんなわけで、この本の話。
変形新書版で一般向けの内容である。大きなテーマとして、
「あなたが患者として治療を受けるとき、医者はどう考え、あなたはどう振る舞えば最もいい治療が受けられるのか?」
という命題に対し,論理性-客観性を維持し論理展開されながらも、感情-経験則的にすぎるのではという着地点が用意されているのがタイトルと同様驚くポイントである。
結論を言うと、
「患者らしい振る舞いを演じろ」
「時には見て見ぬ振りをせよ」
「細かいことはいわず主治医を信じてお任せせよ」
となんとも時計の針が何十年か逆に回ったような、現代では人前でうかつに言えない「こわい」ことをおっしゃる。
しかし、そこに行くつく思考の過程、患者-ドクター間コミュニケーションの分析は前著と同様で澱み、破綻がない。で、結論がこれである。
私は氏ほど勇気がないので小声で言いたいが、これは「真」であると思う。
最近も、これを実感する典型的な2症例を経験した。
次回へ続く・・・

