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歯科医師国家試験とブラックジャックのパラドクス

なかい歯科 御所南ほてつインプラントセンター 中居です。

 

先日、歯科医師国家試験の合格発表があった。

以前は医師国家試験のように平均合格率90%前後の認定試験的であったものだが、今年の合格率は67.5%と、年々その出口が狭まっている。これは国の歯科医師数抑制策に対して、国立大学は定員削減したものの、私立歯科大学は長年なんら実効ある方策を自主的に採らなかったため、業を煮やした厚労省が、ならば・・・と最終策に出たためと考えられている。

リストによると、国立80.9%、私立63.1%という結果である。酷い大学ではなんと32.5%。このままでは閉鎖にいたる大学もでるだろうといわれている。高額の授業料を支払っても、3人に2人は歯科医師になれないのだから・・・。

 

たまたまTVで手塚治虫の漫画「ブラックジャック」の話をしていた。

ブラックジャックはご存知のように無免許医である。客観的医学試験を経ていない。しかし、彼はプロとして自立し、軸のぶれない彼のやり方で仕事を全うしている。

 

彼は結局、何を基準として仕事をしているか?

それは生物学や病理学などではなく倫理や哲学だというのだ。

これにはひどく同意した。臨床医として日々同様の思いを強くしている。極論すれば、人文学的堅牢な素養があれば後は自然に最低限の医学的知識等は染み込んでくるはずである。

ということは、その素養さえあればなるべき者は試験に通って歯科医師になるのだから、その彼らにはもう少しゆとりを持って人文学的修養時間を持ってもらいたいものだ。が、もはや転回不能な地点まで来てしまったのだろう。

 

国家試験にまつわる惨状は、各私大のエゴがそのまま自学に跳ね返っていることなのだろうが、これからは全学生がますます資格試験合格に焦点をおいた学生生活を強いられるであろうことに同情する。

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