いちげんさんお断り
こんにちは。なかい歯科 御所南ほてつインプラントセンター 中居です。
「いちげんさんおことわり」
京都に関する話題でよく聞くフレーズである。店先にさりげなく「会員制」と掲げていたりするところはまだ親切で、いわゆる常連客の紹介のみ受け入れるお店。
「排他的」ないしは「敷居が高い」などと思ったことがある人も少なくないはずだ。私もこれに似た気分を感じたことは確かにある。店前で軽く疎外される感じ。
話は変わるが、当院では、歯周病治療のプロである衛生士の役割部分を除けば、基本的には私がすべての治療にあたっている。「なかい歯科」の名のとおり「中居」がやっている。当然、細部にまで目配せが利くし、結果、私色の濃い性格を帯びる。
歯科とは本来とてもパーソナルな業態だと思う。海外では”Marks Dental Office”には、Dr Marks しかいないことが多い。複数名でやるときは単純に”Dr A & Dr B”と併記の上標榜する。日本の弁護士事務所の感じといえば一番分かりやすいかと思う。そもそも特殊事情がない限り、施設はそんなに大きくはならない(なれない)。看板もこの上なく小さい。あるいは表札のみである。歯科に関しても、患者さんは「その医院」ではなく「そのドクター」に診てもらいに来ている感が強い。紹介による来院が一般的だ。
患者さまとパーソナルに、誠実に向き合えばおのずとそうなる。あれは「個」がより尊重される社会の必然なのだと最近思うに至り、はたと気がついた。
この究極の形態が、「いちげんさんお断り」なのだと。
すでに定着した身内を守るための排他的システムという理解は浅はかで、ミスフィトのために失望する客を生み出さないという他者にも優しいシステムとはいえないだろうか。
歯科医院が多様化すると、患者さまが望むものと私たちが提供できるものがミスフィットするケースも発生する。いちげんさんお断りシステムの利点を思う反面、医療の特殊性を考えるときそれもまた必ずしもベストとはいえない。
なかい歯科は寺町通りの小さな歯科医院である。
今どきこんなに小さい看板しか出ていない門戸を、勇気を出してたたいていただいたからには、何かを期待して、何かを感じてご来院いただいていると思う。
当院はすべての方に等しく開かれている。
ご紹介による患者様の多いなかい歯科ではあるけれど、なにかを感じていただいた時点で、もはやいちげんさんではないと考えている。

