なかい歯科 ほてつインプラントセンター 中居です。
りんごの種が何個入っているか、切らずに正確に知る方法をご存知ですか?
レントゲンで見るとどうか?レントゲンでは立体を平面に圧平するため、種が重なり正確に知ることは困難である。
CT(三次元断層撮影)を撮ることでそれは確実に分かる。といえば身もふたもないが、これは良く考えるとすごいことである。切らずして内部の情報が確実に読めてしまうのである。任意の斜めの断面も見ることができる。
外科医は、開腹前に実際にその臓器を手にとって、病巣の広がりを知ってから手術を始めたいだろう。同様に、歯科医は歯の根尖の治療前には、一度歯を抜いてしげしげと眺め回してから神経の治療に取りかかりたいと妄想する。
ありえない話。ただしそれを限りなく近似的に視覚化してくれるツールがCTである。
立体を立体のまま、場合によっては肉体を痛めることなく任意の平面で切断し、その断面を速やかに見ることができる。といえば、そのすごさを分かっていただけるだろうか。
歯やあごの骨はかなり複雑で個人差のある形態をしている。我々は1mm以下のレベルの精度でそれらの器官にギリギリのアクセスを挑む。これまでは勘や経験則が大きな頼りだったものが、誰の目にも明らかに露呈される。むしろ加療者の我々よりも、受療者の患者さんのほうがその分かりやすさに驚くだろう。
10年ほど前から、インプラントの手術時には必ずCTを撮影していた。
ただしこれまでは、なかなか気軽にとる事はできなかった。大病院にしかないものだからだ。あらかじめ予約を入れて待ち、改めてそのために遠くまで足を運んでもらう。また、とても高い費用がかかる。更に、そのデータを受け取るまでには、数日を要する・・・。
現場では治療途中の今、今その画像情報がほしいのだ。しかし、現実には夢のような機器であった。最近までは・・・。
ところが、このたび なかい歯科には開院時からそのCTが導入された。しかも歯科用で、これまでより鮮明で被爆量が少ない。
私はもうひとつの神の眼を持った(ような気がしている)。これまで分からなかったことが文字通り手に取るように分かる。逆に保存の可能性を期待して治療していたような歯が、やはり治癒不可能と判断するにいたる現実も生じている。見えすぎるのだ。
こんな発明をした人にはノーベル賞をあげたいと思った。何の権限もないが。
そうしたら実は本当に獲っていた。1979年医学・生理学賞、ハウンズフィールドさん。英国人。CTを撮ったことのある人なら誰でも聞き覚えのあるハウンズフィールド値というCTの画像単位名の由来になった方だ。
彼は英EMIの技術者であった。ときは1960年代。EMIはもともと音楽会社でビートルズが多額の収益を会社にもたらした。その資金力でEMIはこの分野に参入、ハウンズフィールド博士はこの機械の開発に成功した。
CTを見ると、なぜかハッピを着て羽田のタラップを降りてくるポール・マッカートニーの映像を思い出す。
ちなみにビートルズのアルバムはアップルレコードからリリースされていた。