The newer, the better? その1
こんにちは、なかい歯科 ほてつインプラントセンター 中居です。
前回の私のブログで、
「若いときと同等の機能を絶対維持しなければならないわけではない」
といいました。
治療にはその時々のライフステージにあった達成度というものがあると思います。
田舎道をトコトコ走るのにフェラーリはオーバークオリティというものでしょう。
スイミングスクール通いの小学生にレーザーレーサーは必要でしょうか。
最新、最高が全ての人に対して「最善」とは限らないのは歯科医療も一緒です。
そのことを、私は英国留学中に身をもって学びました。
概して北ヨーロッパの国々の成熟度の高さは医療哲学、ひいては研究哲学といったところにも反映されているように思います。
一見華やかで、とっつきのよさそうなものでもきっちり検証してから取り入れる。
大きな時間枠のなかで本当に必要なことをきちんと見据えて歩を進める。ただし、変えるべきときには驚くほど大胆に変革をする。
私の師事した教授は義歯のオーソリティーでした。
その教授の信念は「軽々しく新しい義歯を作らない」「前の義歯を大切にする」「飛躍的な機能向上を欲張らない」ということでした。彼は義歯の限界を心得ており、ドクター中心の安直な義歯再生産は患者の益にならないことを知り尽くしていました。
「最新が必ずしも最善ではない」 「治療には限界がある」
自分の専門領域が全能であるかのように声高に語らない。
品格ある一級のプロフェッショナルのあり方を見ました。
昨今インターネットの普及により、患者さん自身がダイレクトに医療情報にアクセスできるようになったため、玉石混交の医療情報をそのまま入手する機会が多くなりました。
耳障りのいい、「早く、安く、痛くない」「画期的ですばらしい」治療法が多々紹介されています。
その信憑性は一般の方には分かりにくいものと思います。
また、情報発信している側も「新しいもの=良いもの」と妄信して、悪気なく喧伝している傾向があります。
残念なことですが。
その教授は、過日「ほてつ・インプラント」部門の国際最優秀研究者賞を受賞されました。
声高に語らぬことの価値を世界は認めています。

